あえて自然な流れに逆らう

 

あえて自然な流れに逆らう

自然な流れで行う視線誘導はオーソドックスな内容やフォーマル内容では有効な手段ですが、凡庸な印象を与えてしまい、魅力に乏しくなることがあります。受け手に強い印象を与えたいようなときは、あえて自然な流れに逆らうレイアウトにすることでインパクトを狙うこともあります。このような場合は自然な流れに逆らっているぶん、視線誘導の仕掛けをしっかり組み立てないと見づらいレイアウトになってしまいます。

ただ要素の配置ン場所を変えただけではどこを最初に見ればよいかわからなくなるため、見てもらいたい流れに沿って視覚的に強調していく必要があります。例えば一番最初に見てほしいものをあえて紙面の中心や下に配置する場合、上に配置する場合と同等の強さでは視線を引き込むことはできません。誰が見ても一番目立つようにする工夫が必要です。

色を目立つ色にするなど配色で工夫したり、書体を太くする、インパクトのある写真やイラストなどを利用するなどして、視線を引き込みましょう。

ターゲットと伝達情報

誰(ターゲット)に何を伝える(情報伝達)化はレイアウトに大きく影響します。同じ情報であっても、伝えるべきターゲットが変われば表現にも違いが出ます。

ターゲットを想定する

レイアウトするときは読み手(ターゲット)が誰であるかを想定して取り組む必要があります。ターゲットの分類は年代と性別で分けることが多く、ほとんどの媒体ではターゲットがどのような層であるかをあらかじめ想定しています。

マーケティングの分野では年代と性別に基づいてターゲットを8つの層に分類しています。

C層 412歳の男女

T層 1319歳の男女

F1層 2034歳の女性

F2層 3549歳の女性

F3層 50歳以上の女性

M1層 2034歳の男性

M2層 3549歳の男性

M3層 50歳以上の男性

もちろん1つの層のみをターゲットとすることもありますが複数の層をターゲットにすることも少なくありません。また、趣味趣向が多様化している近年では、それらを加味してさらに細かく分類することも多くなっています。

何を伝えるか

ターゲットが定まったら、本来の目的である何を伝えるか(伝達情報)と照らし合わせます。

例えば伝えたいものが物語の場合、幼児層やシニア層には可読性の高さが重要になります。大きめのサイズで文字をレイアウトして可読性を高くしますが、幼児層にはゴシック体がシニア層には明朝体や楷書体がよく使われます。配色や挿絵なども、幼児層には見る楽しさを演出するためのものとなりますが、シニア層の場合は落ち着いた読書体験を演出するためのものになります。ヤング層の場合の表現方法は可読性は幼児層やシニア層ほど高くする必要はなく、配色や挿絵の演出も幼児層とシニア層の中間に属します。

このように伝達情報が同じでもターゲットが異なると表現方法も変わります。レイアウトに取り組む際は、最初にターゲットが求めているものをしっかりと考えるように心がけましょう。

伝達情報とターゲットの関係

先ほどとは伝達情報の異なる媒体として通販カタログ誌を考えてみます。通販カタログ誌では購買意欲を煽ったり、製品への知識を提供する目的で制作されています。幼児向けの玩具などが掲載されるページでは楽しく遊べることが自然に感じられるように、明快なレイアウトで構成します。シニア向けの生活用品などの場合は実用性が重視されますから、整理された明快さが必要です。幼児層とシニア層のいずれにおいても受け手の感性に頼らないような明快さが一つのキーワードになります。ところがヤング層向けの商品の場合は、明快さも大切ではありますが、それよりも個性やファッション性を前面に押し出したほうが効果的なケースもあります。

また、広告などは短時間のコミュニケーションが基本となるため、一目で伝えることが重視されますから、ビジュアル性がカギとなります。幼児層には男の子風のかっこよさや可愛さでヤング層には洗練されたスタイリッシュさやキュートさでビジュアル性を押し出します。ところがシニア向けの場合は、ビジュアル性はあまり重視されません。その製品を使うとどのようなメリットがあるかという実用性を打ち出したほうが受け入れられます。